BLOG|PLANNING SECTION

Vol.9 Leather Casquette

  • 2011-01-28
  • /2011S/S新商品関連

ここ数年、世間にはPU Leather(ポリウレタン・レザー)
つまり合成皮革が大量に出回っています。
中には本革用の染料を使っているものもあるそうで
ニオイにまでこだわっている、と聞きました。
「こだわっている」そうです。結構なことです。
しかし、PUはPUです。アジが出ることもありません。
変化したとすれば、それは劣化です。

そして、今回どうしても書きたいこと、
それは、本革の方はリサイクルである、ということです。
私たち人間が肉を食べれば食べるだけ革が残ります。
つまり、革はわざわざ作られるものではないので
革を着る人はそれだけでエコ活動をしている、と言えるのです。

しかし、革ジャンを裁断した後にはどうしても残革ができてしまいます。
そこで今回の残革利用のキャスケットをリリースすることになりました。
これはリサイクルのリサイクル・・・究極のエコ活動です。
と、言うわけで日本製にこだわりながらも21000円という
設定が出来たのです。

c-1.JPG

Blackはライダースの残革。
残革に漉き(すき)加工を加えて帽子に適した厚みにしています。

c-2.JPG

BrownはMixになっています。何の革が使われているかはお楽しみ。

c-3.JPG

リサイクル、と言っても細部にまで手を抜かないのは当然です。

ベルトや靴ほどには必要のないアイテムではありますが
エコを考える一助になれば・・・と願ってやみません。

 

  • |Category:2011S/S新商品関連|
  • |Posted at 11/01/28

Vol.8 CORDVAN ENGINEER

  • 2011-01-25
  • /2011S/S新商品関連

昨年よりバトックのエンジニアを生産してきましたが、
今季よりコードヴァンのエンジニアもリリースすることになりました。

バトックは馬のお尻の表側を仕上げたものなのに対し、
馬のお尻を剥いで(はいで)、革の裏側から磨きあげると
コードヴァンと呼ばれる層が出てくる・・・のですが、
必ずコードヴァンが出てくる、とは限らないこと、
出てきても製品に使えるサイズに足りるかどうか、という問題があります。

実際エンジニアは大きなパーツで構成されるので
ローファーのようにコードヴァンならOK、とは言えないのです。
さらに、エンジニアの場合、甲が反り上がっており、
(柔らかい素材であれば問題はないのですが)
コードヴァンだけは、この工程で不良品が発生する危険を孕んでいるのです。
挙句、各パーツを中心部よりカットされた残革は、もう使い道がありません。
1足のために、何頭ものお尻が必要なのです。
月産はバトックの20足から、さらに「最大」15足まで落ち込みます。

コードヴァンのエンジニアが見たかった、という企画なのですが
履き込んで、磨き上げたとき真価が明らかになるでしょう。

ちなみに、表側を仕上げるバトックはおおよそ4ミリの厚みがあり、
適度な厚みまで裏側を漉き(すき)ますが、
コードヴァンは裏側から表皮近くまで磨き上げて出てくる層ですから
バトックに比べると薄くて軽くなっています。

buco-1.JPG

コードヴァン・エンジニア
クリンプ(crimp)加工が施されるのは同じです。

buco-2.JPG

コードヴァン・エンジニア
まるで鏡のように磨きあげられています。

buco-3.JPG

バトック・エンジニア
完成時点では一番、重厚感に溢れています。

buco-4.JPG

バトック・エンジニア
銀面が生かされているために生皺(いきじわ)が見えます。
履き込んで磨き上げれば別物のようになります。

buco-5.JPG

ホースハイド・エンジニア
昨年までのもの。
コードヴァン、バトックに比べて腰が弱く、シャフトがくたびれている。

いろいろ書きましたが
実物の持つ重厚感、存在感、さらにはニオイ、といったものは
画像ではお伝えしきれません。
出来ることなら店頭でご覧下さい。

 

  • |Category:2011S/S新商品関連|
  • |Posted at 11/01/25

Vol.7 Shirt! Shirt! Shirt!

  • 2011-01-20
  • /2011S/S新商品関連

ミリタリーのシャツはワーク系、アウトドア系ほどの
インパクトのあるデティールやストーリーがありません。
しかし「おっ」と思える部分が少なからずあって
「持っておくと安心」だし、「アウトドアではうるさ過ぎ」という時に
絶妙の働きをしてくれます。

s-1.JPG

s-2.JPG

s-3.JPG

N-3シャツの半袖。
背中のプリントは昔、海軍でポピュラーだったタトゥーの柄から起こしました。
モノトーンでは分かりにくいのですが、アンカー(錨)の上の円は浮き輪です。

 

長袖とデータは変わりません。
N-3ジャケット、トラウザーズなどとセットで開発された熱帯対応のシャツです。
80番手の糸で織られた軽量な生地で肌触りが良く、お薦めです。

s-4.JPG

s-5.JPG

海軍と言えばシャンブレーです。
昨季、リニューアルしたシャンブレーを半袖にしました。
衿やポケットを丁寧に作り込んでいます。

 

s-6.JPG

それぞれの制服には同素材の階級章が付けられることが多いのですが
シャンブレー以外では鷲とシェブロン(下のV字)の間に兵科が入ります。
(ソナー班、機関担当、というように。)
本体と階級章のシャンブレーを変えることで将来のアジが楽しみな一着になっています。

s-7.JPG

USSはアメリカ海軍の艦艇ということを示していますが、
United States Ships の略です。
単純すぎて拍子抜けします。
TRITON(トライトン)はギリシャ神話の神、トリートーンが由来です。
昔、マンガでトリトンと言っていたものと同じです。

s-8.JPG

s-9.JPG

カーキシャツは一新しました。
オープンカラー(開襟)シャツです。
開襟も目に入るポイントですが、ちょっと変わったエポレットが独特な雰囲気を持っています。

 

s-10.JPG

階級章は大戦後のもので、Specialist(特技兵)になります。
厳密にオタクを言いますと、大戦後なのでA-2などに向かないことと、
そもそもパイロットにはなれない階級ではあります。

さて、地味な色のシャツを紹介しましたが、
ファッションには足し算だけでなく、引き算も必要です。
派手なショーツに派手なシャツでは両方が台無しです。
そんなとき、地味さの中に個性の光るシャツ、ご検討ください。

  • |Category:2011S/S新商品関連|
  • |Posted at 11/01/20

Vol.6 GOLD TIGER ADS

  • 2011-01-19
  • /2011S/S新商品関連

1976年頃、突如起こったパンク・ムーヴメントが1980年代に入って
急速に終焉を迎える中、クラッシュが「コンバット・ロック」を発表します。
その前後、メディアから伝わってくるジョー・ストラマーは以前のパンク・ファッション
ではなく、モヒカンに迷彩服、というスタイルに変わっていました。
特にパンツはかなりの頻度でタイガーであり、柄も数種類確認できます。

tiger-1.JPG

※ここでジョー・ストラマーの画像の欲しいところですが、
肖像権の問題があります。申し訳ありません。

さて、そのジョー・ストラマーがタイガーを履いた写真とアメリカでまとめられた
タイガー研究本の決定版「TIGER PATTERNS」をぐるぐる回転させながら見比べてみると、
ジョーのタイガーで一番多く写真の残っている柄が、
アメリカ人の分類のADS(アドヴァイザーズ)と完全に一致したのです。
ADSは日本的にはゴールドの一種なので(アメリカ人はゴールドではなく
Golden Tigers と呼びます)、GOLD TIGER ADS という表記としました。
(が、面倒なのでクラッシュ・タイガーと呼んでいます)

ADSは1968年に登場した柄で、その名の由来どおり、多くのADS(アドヴァイザーズ)、
つまり(ストレートに言うと)、特殊部隊が着用しました。
ジョー・ストラマーがタイガーを選んだ理由はわかりません。
ただ、反政府(無政府)を(ポーズもあったでしょうが)叫ぶロマンチストな感性に
マッチするものがあったのでしょう。

クラッシュの話はこのへんで・・・

tiger-2.JPG

特殊部隊のなかでもMIKE FORCE【マイク(モビル・ストライク)・フォース 機動攻撃部隊】

のシャツ・ジャケットをモチーフにしました。
マイク・フォースは1964年、CIDG隊員を基幹に編成された特殊部隊で、機動力が高く
不正規戦の主力として戦いました。

tiger-3.JPG

tiger-4.JPG

ヴェトナム物でいつも悩むのがパッチのクォリティーです。
本物は現地生産で究極の粗悪品、芯地が新聞紙だったりします。
これまで「雑に見えるけど実は丁寧」で作ってきましたが
今回は「丁寧に見えて実際、丁寧」と芸のないことをしてしまいました。

 

tiger-5.JPG

すでにご存じの方も多くなってきましたが、
ちょっと履きこんでくたびれたタイガー・・・病みつきです。

 

  • |Category:2011S/S新商品関連|
  • |Posted at 11/01/19

Vol.5 L-2B

  • 2011-01-18
  • /2011S/S新商品関連

 

毎年のようにL-2系を作っていると、分析したいパーツもなくなり

再現したい色もなくなり、歴史的背景にも興味が失せていきます。

しかし、L-2Bの中では今回のBLUEANCHOR(ブルー・アンカー)こそが

初代L-2Bであり、1952年に出来た仕様書が1955年に始めて発注された

記念的ジャケットなのです。

さらに、L-2Bがその次に発注されるのは1957年のことであり、

60年代の生産ラッシュを考えると50年代のL-2Bが希少なことがわかります。

(50年代は4社、5回の納品のみ)

そして何よりも60年代に入ると生産コストを抑えることを得意とする

メーカーがどんどん参入・台頭し、昔堅気なメーカーが淘汰されていきます。

(入札ですから安い方が落札します。しかし生産コストを下げると弊害があることは

当然で、アメリカ軍も各コントラクターにインスペクター(検査官)を派遣し、

抜き打ちの検査を実施しました。)

ブルー・アンカーは1953年にN-3B、1955年にL-2B、MA-1の生産を

わずかに1回ずつ受注したあと、その名前を見ることがなくなります。

1953年のN-3Bももちろんファースト・N-3Bです。

そして、そのどれもが丁寧に作り込まれた名品なのです。

・・・

以下、そのファースト・L-2B、ブルー・アンカーのデティールです。

 

L-2B-1-a.JPG

シガレットポケットは大きく傾斜し使いやすさを重視しています。

また補強のバータックは頑丈に施されています。

 

L-2B-2-b.JPG

エポレットの外周のステッチは「きわ」にあります(普通は縫いやすい内側)。

(※訂正1月19日 ステッチの解説が間違っていました。訂正し、お詫びいたします。)

また本体への縫付け方も独特です。

 

L-2B-3-c.JPG

オキシジェンタブはかなりグレーです。

変色が少なかったようです。

ポケットのフラップは特徴がないことが特徴です。

L-2B-4-d.JPG

SQパッチ。これも(J-7758Aと同じく)アメリカのコレクターには

日本製だと言われているパッチです。

カッコイイものを探していくと「日本製だ」と言われることは

何だかいい気分です。

 

L-2B-5-e.JPG

ネームプレート。文字(刺繍)が、くっつき過ぎです。

本番では「F.I.W」「F.I.S」が読みやすいように直します。

 

慣れが紹介を忘れさせるのですが

もちろんシェルは66ナイロンであり、

ライニングはシャンパン・ゴールドのレーヨン・ウール・ナップバック・クロスで、

ジッパーはクラウンのデッド・ストックです。

 

このへんは、掘り下げるときりがないので(読んでもらえないので)

また、後日、少しずつ、ということで。

 

  • |Category:2011S/S新商品関連|
  • |Posted at 11/01/18

Vol.4  SKA-JKT

  • 2011-01-17
  • /2011S/S新商品関連

スカジャンはご存知の通り、日本(群馬県桐生市)で作られたものです。
と、いうわけで、殆どのことは現在も残る職人さんに任せてしまうことが
正しいと考え、ラフを描いたあとのミーティングは1回だけにとどめています。

suka-1.JPG

suka-2.JPG

腕にレーヨンの紐をよじって縫い付けます。
古い職人さんは「お祭り紐」と呼んでいますが、
紐を付ける場合は、付いている面が表になります。
(紅白はお祭りでも良いですが、他の色は・・と思ってしまいます、
が、それで良いのです。スカジャンのルールは桐生で決めることなのです。)

 

suka-3.JPG

suka-4.JPG

口がカーブしたポケットのことは「スマイル」と呼びます。見たままです。

 

suka-5.JPG

虎についてはラフを描いていません。
虎のポーズ以外の注文は「大迫力で。」です。大迫力になりました。

suka-6.JPG

いつも表裏でポケットの形状を変えていますが
今回は一番、地味な形にしました。

以前、雑誌「ライトニング」にも書きましたが
16万のレーヨンのジャケットが「高いか、安いか」と言えばバカ高いです。
しかし、文化財が16万、と考えてみてください。
掛け軸や壺で16万だとなかなか良いモノはないでしょう。
一方、スカジャンの場合は16万で究極のレベルに達します。
(骨董屋さんは認めてくださらないでしょうが・・)
バカバカしいスカジャン。カッコ良いです。

  • |Category:2011S/S新商品関連|
  • |Posted at 11/01/17

Vol.3 J-7758A

  • 2011-01-15
  • /2011S/S新商品関連

フライトジャケットは軍服であり、
軍服は何も市民に名前を覚えてもらう必要がありません。
J-7758A・・・覚えてもらうつもりがないことが明らかな名前です。

しかもプレーンはラベルが内側に隠れることもあって超地味。

しかし!今回、ついに、綾が崩れた(波打った)生地の再現に成功したのです。
(私どもは工場に「違う!違う!」と文句を言うだけで、実は偉くも何ともありません。
偉いのはこんな注文にいちいち付き合って答えを出す職人さんたちです。)
この生地感は目と手で感じないといけません。
PCで大概のことは分かってしまう時代ですが、今回の作品の中でも
特に店頭で触れてみて欲しい、と思うのがコレなのです。

J-7758A-1.JPG

VA-34 BLUE BLASTERS(ブルー・ブラスターズ)のパッチ。
長らくデザインは変わっていませんが、海外のコレクターには
50年代の細かな刺繍のものは日本に駐屯していた時期ともかぶっていることから
日本製だとされています。

J-7758A-2.JPG

ウイングネーム。
海軍の階級は陸軍に比べて覚えにくくなっています。

少尉  Ensign
中尉  Lieutenant Junior Grade
大尉  Lieutenant Senior Grade

つまりLT. JG.は中尉です。とても覚える気にはなれません。
(本番では刺繍のウイングにもう少し厚みが出ます。)

J-7758A-3.JPG

ブルー・ブラスターズはこの時期、空母サラトガを母艦としていました。
   

J-7758A、地味なジャケットですが、
ウェーヴサージ(綾崩れ)に興味を持っていただけたなら、
何とか販売店まで足を運んでくださいますよう、宜しくお願い致します。


 

  • |Category:2011S/S新商品関連|
  • |Posted at 11/01/15

V0l.2 McGregor

  • 2011-01-15
  • /2011S/S新商品関連


前回展(2010FW)でDONIGER(ドニガー)社のA-2を復刻しましたが
そのドニガー社が大戦中、民間に向けて生産したものが
今回のマクレガーのA-2です。

mc-1.JPG

戦後はマクレガーが社名になりますが、戦中、マクレガーはブランド名に過ぎなかったのです。
目を引くウールライニングは正式のA-2よりも実用的です。
(が、勝っている部分はここだけです。)

驚くのはやはり、国力の差です。
戦時中に民間に向けて商売が出来る、というだけで凄いのですが、
貴重なジッパーを使うなど、日本では想像もできない贅沢です。

しかし、馬や山羊ではなく、A-1で「弱い」という烙印を押されたケープスキンで
作られているあたりは、アメリカにも制限があったことを想像させます。
(ケープの名誉のために注釈しますが、20年代の半端な仕上げが
「激しい軍務には適さない」とされただけで、ピグメントで仕上げた今回の
ケープは「しなやか」ですが「弱い」ことはありません。)

mc-2.JPG

また、ポケットのボタンは省略されています。
金属の使用制限もあったのでしょう。

mc-3.JPG

ポケットの中にはドニガーとも違う、民間らしい生産管理のラベルがつきます。
(サイズの他に、生産ロットと生産の束のナンバーがスタンプされています。)

その他にも、
※継ぎのある腕。
※革を帯状に切っただけのハンガーループ
※スコービル社の小さなボールスタッドボタン
などなど・・・
面白いデティールがいっぱいです。

こうして民間に販売されたA-2でしたが、
どういうルートか、一部が前線に辿りつき、AAFマークをデカールされているのです。

・・・それにしてもマクレガーのA-2、・・・キワモノであることは確かです。

 

  • |Category:2011S/S新商品関連|
  • |Posted at 11/01/15

2011 SS展

  • 2011-01-14
  • /2011S/S新商品関連

 
Vol.1 A-2

展示会が無事に終了しました。
関係各位のみなさま、寒い中、本当にありがとうございました。

さて、特約店のみなさんが紹介しきれないであろう、細かい(どうでも良い)部分を
頑張って紹介していこうと思います。

まず、やはり、限定のA-2から。

A-2-1.JPG

海外のP-38ライトニングのプラモデル、置物、などを見ていると、
"Little Buckaroo"という機体が良くモチーフにされています。
日本の書籍では見つけられませんでしたが、
Osprey(オスプレイ)社の本「ACES OF THE MIGHTY EIGHTH」で見つけました。

A-2-2.JPG

SQパッチはP-38ではなくてサンダーボルトのようです。

A-2-3.JPG

バランスもカッコよく、企画はあっさりまとまりました。
パイロット、ロバート・ロジャース少佐のネームプレートも作りました。

A-2-4.JPG

第9軍章は過去のレザークラフトの中でも、最も細かいものになりました。

A-2-5.JPG

限定30着。展示会サンプルは2着作りましたが、
シリアル・ナンバーを0/30としました。

念のため、どんな機体だったのか戦歴も調べてみました。

1944年8月25日、ロジャース少佐はフランスの(ドイツ軍の)飛行場を襲った。
機銃掃射を繰り返し、駐機中(!?)の輸送機、ユンカース52、5機を撃破した。
ロジャースはコックピット下にスワスチカ、5つを描き込んだが第9軍はこれを
撃墜とは認めなかった・・・。
「ACES・・・」という本ではありましたが
ACEとは認められなかった、というお話でした。
しかし、ドイツ軍の輸送機、5機の撃破はドイツ軍の戦力をそぎ、
連合軍の勝利に貢献したことは間違いないのです・・・。

 


 

  • |Category:2011S/S新商品関連|
  • |Posted at 11/01/14