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Vol.4 A-2 DECK JACKET

  • 2011-06-29
  • /2011F/W新商品関連

「古き良きアメリカ」という言葉を服屋さんは良く使います。
それには、ちゃんと理由があって、昔は腕の良い職人が多かったし、
大きなメーカーですら、ゆっくり織られた生地や手の込んだパーツを使っていたからです。
そして、大戦後の1950年代にアメリカの衣料品は頂点に達したと言えます。
しかし時は流れ、成長するアメリカは加速度的に合理化を進め、
70年代までに、殆どの職人や古い織機が姿を消します。
高速で織られる生地や、大量に生産されるパーツに席巻され、
そればかりか、生産工場は国外へ移転していきました。
そういう訳で(商売では言えませんが)多くの古着好きは80年代を否定しますし、
70年代のモノも本当は「いいもの」とは思っていません。
雑だし、安っぽいのです。

A-2デッキジャケットはまさに合理化のタイミングに
合理化されたジャケットとして登場しました。

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(1964年製・実物 グログラン仕様)
しかし、1964年に40~50年代と同じグログランを用いたA-2が作られていたのです。
こうなると、放って置くわけにはいきません。

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先代のN-1から進化した部分もあります。胸に追加されたポケットは便利です。

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この64年製には力釦が付けられています。

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スピンドルの替わりにアジャスター・ベルトが付けられました。
真鍮のバックルはオリーヴに塗装され、サブデュードが本格化してきました。

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アクリルボアはアルパカに比べると魅力を失った部分ですが、
洗濯機で回せるようになったことは喜ばしいことでもあります。

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カスタムの背中にはシルクスクリーン・プリント。

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胸はハンドペイントです。塗料が生地に染み込んで良いアジを出しています。
が、どう考えても、効率よく生産できそうにありません。
・・・つまり、お薦めだということです。

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  • |Posted at 11/06/29

Vol.3 COATS, FIREMAN'S

  • 2011-06-28
  • /2011F/W新商品関連

アメリカ軍の軍事施設は世界中にありますが、
その立地は孤島だとか、僻地であることも珍しくありません。
消防士が自前で必要となるわけです。

・・・たとえ、お隣が消防署だったとしても、爆発物だらけ、機密いっぱいの
基地で一般の消防士が、どれだけ仕事できるかも疑問です。

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入手した1958年の実物をもとに製作しました。
表地はパラフィン加工こそ、施されていますがカンヴァス(コットン100%)です。
裏地はウレタンコートを施していますがシーチング(コットン100%)です。
見える部分は、あとコーデュロイ(コットン100%)とレザーです。
・・・実物を解析した結果ですが、すべて可燃物で構成されています。
火事に出くわしても「あんまり張り切るなよ」という感じでしょうか。

 

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まず、アルミ製のフックが目に飛び込んできます。
このフックには数種類が確認出来ましたが、存在感で選びました。
また、フックは黒に塗装されていることが多いようですが、
せっかくのアルミを塗りたくなかったので、保護材の塗装のみとしました。

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パーツをギリギリに並べても、36インチを作るのがいっぱいで、
34インチは断念しました。

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カウ・スエードは1.8mm厚。実物通りとしましたが、厚いです。

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リフレクターは以前、くどい解説をしましたので、あっさりと。

※リフレクターは1937年、3M社が道路の車線にガラスビーズを
振りかける実験から誕生しました。
その後、シートにガラスビーズを吹き付け、
プラスティックの膜を塗布する技術が確立したのです。

1958年という時代から可燃物で作られたファイヤーマン・コート。
・・・しかし、防水と強度のレベルが高いこと、全周に配されたリフレクターから
雨の日のバイカーにはかなりお薦めできる一品、と言えるでしょう。

 


 

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  • |Posted at 11/06/28

Vol.2 GYPSY STUDS

  • 2011-06-25
  • /2011F/W新商品関連

唐突ですが、今季の「お薦め金属パーツ」はファイヤーマン・コートに使った
GYPSY STUDS(ジプシー・スタッズ) です。

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ドット・ボタンのスタッズ(日本ではゲンコ)でありながら、
同時に生地を挟む反対側には、
ソケット(日本ではバネ)を打ち込むようになっています。
文章にすると全くわからないので内見会、店頭でご確認ください。

と、大きく言うのも、このパーツ、日本には輸入されていないのです。

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衿のチンストラップにも使われていて、
衿×1個、前立て×3個、計4個のジプシー・スタッズが使われています。
豪華です。

それにしても、何故、ジプシーというネーミングなのか?
日本のドットの代理店の方に聞いても「分かりません」でした。
いずれにせよ、普通のドット・ボタンの2倍以上のお値打ちモノの
ジプシー・ドット、1ケースを輸入してしまいました。
宜しくお願い致します。

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さて、本体のファイヤーマン・コートは次回、解説させていただきます。
(展示会でも何度も聞かれましたが、アメリカ軍のファイヤーマン・コートです。)

 

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  • |Posted at 11/06/25

2011 FW展

  • 2011-06-25
  • /2011F/W新商品関連

Vol.1 CBI戦区章

先日、秋冬の展示会が無事に終了致しました。
関係各位の皆様には暑い中お越しいただき本当にありがとうございました。

さて、いつも通り、特約店のみなさんが紹介しきれないであろう点や
実際「聞き流されるだろうなあ」と説明を省いてしまっている点などを
中心に少しずつ紹介していこうと思います。

今回、陸軍航空隊系はCBI戦区にスポットを当てています。
まず、CBIとは(ご存知の方は読み飛ばしてください)、
Cはチャイナ(China)、Bはビルマ(Burma・現ミャンマー)、Iはインド(India)
を表しています。
そのCBI戦区を表した戦区章がCBI戦区章と呼ばれるものなのです。

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A-2の表革に対してはスエードのレザークラフトを選択しました。
表革のようにステッチが確認し辛く、職人泣かせです。
(と言うか、泣いていました)
ホースのスエードにゴートの縁取りになっています。

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B-10には表革を選択。同じくマーキングはホース、縁はゴートです。
縁が下になることで全く印象が異なります。

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B-15にはモール刺繍を使いました。
戦時中はとにかくローカルメイドが大量に出回るのですが、モール刺繍は
矢張り、中国製だと言われています。

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シャツとスエットには、「手作りに見える」機械刺繍を選択しました。
これは「洗濯に耐えられる」ようにしたためで
「手刺繍」ではありませんが、ご了承ください。
ただ、洗濯の際はネットに入れてください。強いものではありません。

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カーキシャツはプリントです。
黒のトーンを抑えていますが、単色はやはり印象を大きく変えます。

今回の陸軍航空隊系はC-2セーター、カーキシャツ、マスタードシャツが
B-10と同じ人物が着ていた設定で作られていることと、
A-2とスエットが同部隊になっている、など、
まったくもってアパレル的展開ではなく、コスプレ的展開を見せており・・・

大きく言うところかどうか、微妙ではあります。

 

 

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  • |Posted at 11/06/25