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FURY-3

  • 2015-03-25
  • /Et cetera

DVDが発売になりました。
DVDの発売によってコマ送りで戦車を観賞されている方も多いと思います。
(とくに本編ディスクのカットされたシーンには細部の分かる映像が多くあります)
そこで参考までに、分かったことなど。
(この映画、オリジナルのティーガーが走り回る奇跡ばかりがクローズアップされる一方、
主役チームがちゃんと紹介されていないように感じます。
そこで今回は主役、シャーマンの紹介です。)

fury3.JPG

【基本編】
M4 SHERMAN(M4シャーマン)はM3 LEE(M3リー)の後をうけた
アメリカ軍の主力戦車で、単にM4と呼ばれることもあります。
車体構造やエンジンの形式でサブタイプが付いたり、名前が長くなったり、
主砲の口径がカッコ付きで記されることもあります。
(M4、M4A1、M4A2、M4A2E8、M4A3(76)W、というように)
主役、フューリー号は「イージー・エイト」と呼ばれる車体ですが、
これは大戦末期に登場したM4A2E8の「E8」から付けられたニックネームです。
サスペンションには2種類あり、マタドール号、フューリー号は
後期の水平巻バネ式(HVSS)で、幅の広い履帯、不整地にも強い足回りです。
残りの3輌は初期の垂直巻バネ式(VVSS)で、幅の狭い履帯ですが、
ぬかるんでいなければ、そこそこの走りをします。

【映画用車輛】
さて、映画のシャーマン小隊ですが、海外のサイトなどを見ると、
実は結構な改造車輛であることが分かっていて、かなりややこしいのですが、簡単に。

① MATADOR(マタドール):小隊長(パーカー中尉)車。
M4(105)HVSS、を改造し、M4A2E8に似せている。つまり、防盾、砲身は作りモノ。

エンジンはベンツに換装されているそうです。
エンジンデッキはなかなか不思議な改造がされています。
マズルブレーキがないこと、足回りを写さないことから
もしかしたら、M4A3(76)Wに見せようとしたのでは?と思ったりします。


② FURY(フューリー):コリアー軍曹車。
M4A2E8。戦後型履帯。機銃の銃架が変。
防盾に防水カバーの留め具があるなど、全体に戦後装備の跡が見られます。
76mm砲、マズルブレーキ付き。


③ OLD PHYLISS(オールド・フィリス):ピーターソン軍曹車。
M4A1。
履帯はT48型ながら、砲塔に取りつけた予備履帯はT54E1型。
しかし、車体後部の予備履帯の定位置には履帯ラックがない。
劇中、唯一、丸みを帯びた鋳造車体であり、避弾効果が高く見えるがこれは間違い。
劇中、唯一の「戦時アメリカ軍仕様」のシャーマン。
76mm砲。


④ LUCY SUE(ルーシー・スー):ディヴィス軍曹車。
M4A2(イギリス名:シャーマンⅢ)
イギリス軍など、アメリカ軍以外が使用した型。
ブローニングM2に猛烈に変な弾薬箱を装着。
75mm砲。履帯はT48型。


⑤ MURDER INC(マーダー・インク):ビンカウスキ軍曹車。
M4A4(イギリス名:シャーマンⅤ)
これもイギリス軍などアメリカ軍以外が使用した型。
エンジンが大きく、ルーシー・スーより若干、車体が長い。
(ホイールの間隔が広くなってしまっているので確認しやすい)
砲塔は最も初期型。イギリス軍に使われた車輛の名残で、
砲塔右側面にスモークディスチャージャーの基部がある。増加装甲付き。
ディファレンシャルカバーは3分割型。
75mm砲。履帯はT51型。

何と言うか、黒人兵やメキシコ人が白人部隊に溶け込んでいたり、
とにかく全編に渡って、突っ込みどころ満載なのですが、
タンカースを用意したSMW社、B・チャットさん等のコレクターの協力、
そして、タイガーの都合から(?)(イギリスのボーヴィントン博物館所蔵)、
イギリスでかき集められることになったシャーマン達の雑多さによって
寄せ集め感が最高になり、面白い映画になったと断言しても良いと思うのです。

  • |Category:Et cetera |
  • |Posted at 15/03/25